薬物乱用防止教室
中学生の頃、わたしは優秀な生徒でした
定期テストはカンペキ！90点以上は確実だな〜とニコニコしながら、午後体育館へ向かうのです
わたしの中学では定期テストのあと、交通安全教室や薬物乱用防止教室が行われていました
わたしは優秀なので、みんながおねんねしてる中しっかりと耳を傾けていました
とても順調な人生でした
オーバードーズに手を出すまでは
高校生の頃、部活内での仲違いだったり勉強についていけなくなったりで不登校になりました
精神が摩耗して病んでいました
学校に行く前の玄関で、突然涙が出てきました
学校に行く途中の大通りでは、このまま車に飛び込めば死ねるだろうなと考えていました
そんな毎日を過ごしていたわたしは、ストレスのはけ口としてTwitterアカウントを作りました
わたしと同じように、人生が辛くて苦しい人達をフォローしました
傷を舐め合いたかったんですよね
そんなTwitterを眺めていると、まあみんな自傷しているわけです
リストカット怖いし、嘔吐恐怖症だし、瀉血も怖いし、わたしが選ぶものは自然と決まっていたように思います
巷では「ブロン」という薬が乱用されています
大量に摂取すると気分が良くなり心に安寧が得られます
この辛い現実から逃れたい一心で、わたしはマツキヨでブロンを手に取りました
この日から、人生は狂うのです
いつしかわたしは毎日のようにオーバードーズをしていました
ある日はブロンを飲み、次の日はレスタミンを飲みました
レスタミンはダウナーで、幻覚などを見ながらよく眠れます
メジコンにも手を出しました
メジコンはケミカルで、自分が誰なのかわからなくなります
そうやってどんどんドラッグに溺れていきました
薬物乱用防止教室を真面目に聞いていたこのわたしが
薬物乱用防止教室では、違法薬物の危険性ばかりを取り上げます
最後にうっすらと「市販薬の乱用も薬物乱用です」とだけ言うのです
わたしはその意味がよくわかっていなかった
愚かでした
ドラッグに溺れて、人生を捨てました
それはもうハチャメチャな生活を送っていたので、せっかく進学した専門学校にも行けなくなりました
わたしはドラッグによって、100万円の入学費と、学歴と、社会的地位を失いました
これからもしオーバードーズをやろうと考えている人がいたらお願いしたい
どうか手を出さないで欲しい
興味本位では絶対にダメ
もしかしたら人生が死ぬほど辛いかもしれない
でも、一瞬の快楽と引き換えに大切なものを失います
お願いします
オーバードーズにだけは手を出さないでください
お願いです
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